神社a
◎「斐伊神社」
島根県雲南市木次町里方463 地理院地図
主祭神:須佐之男尊・稲田比賣命・伊都乃屋羽張命
合殿「樋速夜比古神社」樋速夜比古命
「伊都乃屋羽張命」と云うのは、古事記で伊邪那岐尊が迦具土神を斬った刀の神格化であるが、樋速日神はその刀で迦具土神を斬ったときに流れた血しぶきの中から生まれた神とされている事から祭神とされているのであろう。
神社前の木次線踏切を渡って少し行くと、右手に「八本杉」がある。地理院地図
『出雲国風土記』大原郡では「樋社」が二ヶ所記されており、一つは今の「斐伊神社」今ひとつが「八本杉」の場所にあった社だと考えられている。
「八本杉」は八岐大蛇退治に関わる素盞嗚尊由来の場所であるから、「斐伊神社」の方が樋速夜比古命の関わる社であり、合社された今では主祭神と相殿とが入れ替わっているようである。
(斐伊神社 社叢)
(斐伊神社 参道口)
(斐伊神社 案内)
(斐伊神社 拝殿)
(斐伊神社 拝殿扁額)
(斐伊神社 拝殿内)
(斐伊神社 本殿と境内社)
(斐伊神社 境内八幡宮)
・日宮八幡宮
(斐伊神社 本殿と境内社2)
(斐伊神社 稲荷神社・廿原神社)
・「廿原神社」の祭神は古那比売命とある。
安来市広瀬町菅原に「廿原堤神社」というのがあり、その祭神が小那姫である。
堀尾吉晴の次女で、16歳の頃から婦人病に苦しみ、同じ病に苦しむ人を救いたいと願い20歳の時神社近くの池に入水して果てたという。
婦人病に霊験のある神社として信仰され、おそらくその姫を祀る神社として勧請されたものであろう。
(斐伊神社 境内社3)
・稲荷社かと思われる。
(斐伊神社 境内社4)
・火守神社であろうか。祭神:迦具土命
(八本杉)
(八本杉 由来書)
・須佐之男命は八岐大蛇退治後、8つの頭をこの地に埋めそこに8本の杉を植えたという。
(八本杉)
・須佐之男命が読んだという詩が記されている「我たのむ人を恵みの杉植えて、八重垣かこみ守る末の代」
- 某「須我神社」の称するものより古い和歌と云うことになる。
この歌は「雲陽誌」大原郡日井郷里方 八本杉に載る歌であるが、案内では「詩」と記しているが雲陽誌では「歌」と記し、その内容も
「吾たのめ人の恵の杉うへて 八重垣かこみまもる末の代」
となっており、ここの案内では幾分改変されている。(文字を変えれば意味が違ってくる)(桑原文庫雲陽誌大原郡-1-k52も地誌大系-27-雲陽誌に同じ)
叉「八俣大蛇」と記しているのも奇妙。雲陽誌では「八岐大蛇」である。
ついでに「須佐之男命」も雲陽誌では「素盞嗚尊」(桑原文庫では「素盞烏尊」)である。
(八本杉 石碑)
・元は社のあった場所のようである。