神名解題a
麻須羅神
出雲国風土記に出てくる。「麻須罗神」(「罗」は「羅」の異体字)
島根郡加賀神埼の条
枳佐加比売命との間に佐太大神をもうけた事がわかる。
マスラは「益荒」で雄々しく立派な様子をあらわすが、
マシラであれば「猿」のことであるから、佐太大神=猿田彦大神 というのはここから来たのかも知れない。
佐太神社の主祭神が「佐太御子大神」である事から、佐太大神が元は麻須羅神ではないかという説があるが不詳。
- そもそも佐太大神=猿田彦大神というのも近年の比定で、猿田彦という呼び方はある種の蔑称である。
大丈夫に猿という称を付けるなど、陰湿な中央官僚貴族のやりそうなことではある。
石見誌収録訓註石見風土記、邑智郡都賀郷に、「佐太大神之産生所也」とある。『石見誌』288コマp559
都賀郷は現在の邑智郡美郷町都賀。
都賀の地名由来で、母神「津加枳佐賣命」が都濃々弓箭をつがえた事により都賀と云う。