#author("2025-11-07T06:01:41+09:00","","")
#author("2025-11-07T06:26:38+09:00","","")
[[山]]

▲「仏経山」(神名火山)

島根県出雲市斐川町 [[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#15/35.357947/132.830250/]]

標高:366(m)

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[[『出雲国風土記』出雲郡:https://fuushi.k-pj.info/pwk8/?%E3%80%8E%E5%87%BA%E9%9B%B2%E5%9B%BD%E9%A2%A8%E5%9C%9F%E8%A8%98%E3%80%8F%E5%87%BA%E9%9B%B2%E9%83%A1#uc1d4488]]に「神名火山」と記されている。

戦国期、尼子経久(1458生~1541没)が広瀬の明星寺(月山南麓にあったが廃寺)僧の祈祷による進言を受けて、この山に薬師像12体を安置し、山名を「仏経山」としたという。
---時に、12の寺院を建てたと記してあることがあるが、そういう複数寺院跡は確認されておらず誤りであろう。
薬師如来は左手に薬壺を持ち、右手で印を結ぶ像として造作されるが、十二神将像を従えていることが多い。
一つの山に12の如来像を置くというのも奇妙な話であり、十二神将像を併せて置き、また薬師経の経典を納めたことで仏経山と呼ぶようにしたのであろうと考えられる。
それがいつの頃からか12体の薬師像と寺院という話に変わってしまったのかと思われる。
あるいは、薬師如来は菩薩の時12の大願を発し、大願成就して如来となったといわれる。
その過程で12の大願修行像が作られることがありそれを指しているのかもしれない。
出雲では島根半島に「一畑薬師」があり、目の患いに霊験があるとして信仰されており、薬師如来信仰の影響があったようにも思われる。
いずれにせよ、「神名火山」という神に由来する山名を尼子一族繁栄を求めて仏に関連する山名に変えるというのは傲慢以外のなにものでもない。
個人的には「仏経山」などとは呼びたくないところである。

・「雲陽誌」出雲郡 氷室で「神名火山 風土記に載る所なり、東南三里一百五拾歩今の路にして廿町三十間なり、周一十五里六十歩、今路にして二里十九町たり。土俗經山といふ 洞あり、高さ七尺横一間半深さ三間半、洞裡岩屋寺といひて薬師十二體あり、曾致の夜社審伎の夜社、この二社を延喜式には曾只能夜神社同社韓國伊太氐神社と書す。神祇官の外支比佐社ともに三社は曾伎大明神山上大明神權現等の社なり、此山上に遷座す」

---『出雲国風土記』出雲郡では「曾致乃夜社」「審伎乃夜社」「支比佐社」が記されており、「雲陽誌」の記述に照応する。
記述順からすると、「曾致乃夜社」=「曾伎大明神」、「審伎乃夜社」=「山上大明神」、「支比佐社」=「權現」なのであろう。
この内、
「曾致乃夜社」が&ruby(キヒサノカミタカヒコノミコト){伎比佐加美高日子命};の社であり、後で記す「宮隠し岩」にあった社に該当する。
「審伎乃夜社」は「山上大明神」であり今は「曽枳能夜神社奥宮の跡」とされている場所にあったものであろう。
「支比佐社」は「伎比佐の大岩」にあった社で、&ruby(キヒサノカミナガヨリヒコノミコト){伎比佐加美長依彦命};の社であったのであろう。

---「伎比佐」は[伎]は(技人)、[比]は(並ぶ)、[佐]は(助ける)の語義であるから、二人の技人が並んで助け合うという意味を表す。
---「伎比佐」は[伎]は(技人)、[比]は(並ぶ)、[佐]は(助ける)の字義であるから、二人の技人が並んで助け合うという意味を表す。
この山での祭礼を高日子命と長依彦命が共同して行ったことが地名縁起かと思われる。

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(仏経山 高野登山口駐車場)[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#15/35.350212/132.830887/]]
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(仏経山 高野登山口)[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#15/35.353292/132.833147/]]
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/takano-in02.jpg
・左手NTTの工事用道路が登山道になっている
 「熊に注意」の看板。数回登っているが幸い一度も熊には出会っていない。熊避け鈴効果か。

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(神名火水)
・南麓、高野からの登山道を少し入ったところにある。[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#15/35.354307/132.831652/]]
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/kannabisui-a1.jpg

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伎比佐の大岩周辺には巨岩が多数あり、2005年頃地元有志により幾つか案内板が据えられている。
地理院地図を付記しておいたが、多少誤差があるかもしれない。
周辺は身長を超すほどの隈笹に覆われており歩くのも難儀。
以下〚 〛の箇所は案内はなく、個人的につけた仮称である。
岩石群は、その多くが流紋岩質の礫岩でありいわゆるさざれ石である。
「曽枳能夜神社」に「神魂伊能知奴志命」を祀る岩が据えられているが、ここから運ばれたものと思われる。

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〚出会い岩〛[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.354383/132.831050/]]
登山道途中にある。ここから入ると「女男岩」に行くことができる。
(〚出会い岩〛1)
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・道路脇にあり、草木で覆われているので少々わかりにくい。

(〚出会い岩〛2)
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/deai-a02.jpg
・2つの岩の間に通れそうな間隔があり、それ故〚出会い岩〛と名付けた。

(〚出会い岩〛3)
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/deai-a03.jpg
・少し歩けば開けており、小山を迂回して女男岩迄行くことができる。
かつてはこれが高野地区から宮隠し岩への参道だったように思われる。

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「女男岩」[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.354915/132.830226/]]
・東側から見ると2つの大岩が寄り添った形でありその間の空間が女陰のように見える。
又、西側から見ると、2つの大岩の一方がそそり立つ男根のように見える。高さ40(m) 弱
それ故「女男岩」と呼ばれたのであろう。(下の登山口案内板では女岩と記している)

(「女男岩」1)
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/meoS-a01.jpg

(「女男岩」2)
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・少しアングルを変えて見ると、2つの岩が並び立っている様子がわかる。

(「女男岩」3)
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/meoS-a03.jpg
・向かって右側の岩の裏側は切り立っており、樹木で少々わかりにくいが男根のように見える。

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「男岩」[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.354873/132.830037/]]
・東側少し下ったところから見ると、陰嚢を伴った男根のように見える。
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/kannabiM-otokoS-1.jpg


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(「宮隠し岩」登山口案内板1) [[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.354733/132.828870/]]
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/magakusiS-in01.jpg
・NTTの工事用道路から入るルート。

(「宮隠し岩」「女男岩」分岐
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/magakusiS-in02.jpg
・左方向「宮隠し岩」、右方向「女男岩」

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***「宮隠し岩」 [#wb771f99]
[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.355699/132.829574/]]
・2つの巨岩があり、その前方が窪地になっており、それぞれの岩の下側に岩穴がある。
右側の大岩は幅約15(m)高さ30(m)弱。左側の大岩は幅約30(m)、高さ約25(m)ほど。(但し、ともに目測)
右側の大岩下の岩穴はかなり大きく、ここを&ruby(マガクシ){宮隠し};と呼ぶ謂れとなったのであろう。
この場所は傾斜地であり、撮影した岩の背後には更に岩の下方部がある。
---山入の際には常に谷下りに備え10mでcutした軽量ロープを携行している。そのロープを元に目測しているのであまり正確ではない。

(「宮隠し岩」1)
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(「宮隠し岩」2)
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〚宮隠しの広庭〛
宮隠し岩のやや南方にある。
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〚宮隠しの棚岩〛
宮隠しの広庭の南方にある。
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「高野の鏡岩」[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.355909/132.829213/]]
・ここから尾根沿いに進むと、仏経山山頂に行くことができる。ただし道があるわけではない。
(「高野の鏡岩」1)
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・いわゆる霰こぼしのように岩が散在しており、ここを登っていく。

(「高野の鏡岩」2)
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(「高野の鏡岩」3)
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〚展望岩〛[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.357215/132.830640/]]
・「高野の鏡岩」から尾根伝いに登ると、一気に展望が開ける場所が一箇所ある。
 眼下に斐伊川、遠くは男三瓶山まで望むことができる。
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***(仏経山山頂) [#b2aa344c]
[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.358020/132.830232/]]
標高366(m)。三角点以外特にはなにもない。

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***(曽枳能夜神社奥宮跡) [#ce138979]
[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.358195/132.829031/]]

https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/kannabiM-okumiya-2.jpg

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(奥宮跡への参道)[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#17/35.357823/132.827159/]]
・工事用道路の途中に小さな階段があり、奥宮から下るとこの階段に出る。これが奥宮跡への参道だったのであろう。
おそらく「塞ノ神の岩」の案内板に記されている仙道というのはここに通じていると思われるが、藪化しており歩くのは困難。

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(伎比佐の岩石群への入口)
・電柱のあるところを下る。藪道 [[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#15/35.355427/132.827618/]]
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/kiisa-a1.jpg

以下は神氷側から登った順に記す。
神氷側からもこの工事道路側からも、身長より高いほどの竹藪と隈笹が生い茂る藪道である。
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(塞ノ神の岩)[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.357617/132.823214/]]

・岩の奥に更に一回り大きな岩があり、赤松が一本育っている。
更に先には仙道があり、神名火山山頂に通じていると案内されていたので歩いてみたが、途中で戦国時代の古城の曲輪のようなものがあり仙道はわからなかった。
おそらく、仙道というのは「曽枳能夜神社奥宮の跡」に通じる道のことを指しているのだろうと思われるが山中は藪化していて未確認。

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(塞ノ神の岩 案内板)
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(塞ノ神の岩 石組)
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・人工的な積石がある

(塞ノ神の岩 奥の岩)
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***(伎比佐の大岩) [#w825621e]
[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.355528/132.825552/]]
https://fuushi.k-pj.info/jpgm/simane/izumo-c/hikawa-t/bultukyouM/kiisaooiwa-a1.jpg
・横幅9(m)弱、高さ6(m)弱、奥行き8(m)弱の大岩である。

(伎比佐の大岩2) 
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(伎比佐の大岩3) 
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(伎比佐の大岩4) 
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(伎比佐の大岩5) 
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〚伎比佐の覆い岩〛
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〚伎比佐の三角岩〛
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〚伎比佐の霊水窟〛[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.355806/132.825838/]]

・伎比佐の大岩の近くには水流跡がある。静かに休憩していると水音が聞こえたので辿ってみた。

(伎比佐の霊水窟1) 
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(伎比佐の霊水窟2) 
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(屏風岩)[[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.355339/132.826198/]]

・幅80(m)以上 高さ30(m) 以上の岩壁である。
以下、東から西へ分割掲載。

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・東には、下方からは岩戸に見える三角形の岩穴がある。
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---近年、神氷側の山中に、狩猟用の罠が仕掛けられている。
箱罠は大きいのですぐにそれと分かるが、トラバサミも仕掛けられており、注意が必要。

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