[[神名解題a]] ''薗神''(そのかみ) 延喜式巻9に次のように記されて祀られている。 宮内省坐神三座 薗神社 韓神社二座 ---- 薗神、如何なる神を祀っているのか、明かではない。 大己貴神の和魂としての大物主命という説もある。 韓神二座は大国主命・少彦名命という説が大勢。 薗神と韓神(からのかみ)をあわせて、薗韓神(そのからかみ)と呼ぶ例が多いから、薗神と韓神は関係の深い神であろう事は理解できる。 北に韓神が祀られ、南に薗神が祀られる。 宮中神楽歌で 「三島木綿 肩にかけ われ韓神の 韓招ぎせむや 韓招ぎせむや」 「八葉盤を手にとりもちて われ韓神の 韓招ぎせむや」 と歌われる。 この歌を、薗神が韓神を招く際に歌ったと考えると、 薗神は大国主命で、韓神二座は須佐能袁命と少彦名命とすればスッキリするが・・・。 というのも、 「薗」は、陵墓にある樹木が原義。薗は陵墓を意味する。 国譲りし神避りをした大国主命を薗神として祀っていたのではないかということ。 出雲が新羅に関わりが深いとしても、韓神の一人に国ツ神の中心である大国主命をあてるのは、どうにも承伏できかねるのである。 出雲が新羅に関わりが深いとしても、韓神の一人に国津神の中心である大国主命をあてるのは、どうにも承伏できかねるのである。 また、大己貴神の和魂が薗神であるとすれば、荒魂が韓神となる。荒魂を韓招ぎ等するはずもない。 いずれにせよ、宮中ではなく宮内省で祀られていたと云う点で、薗神・韓神は、天皇家と一線を画す位置にあったということは間違いないところ。 (この点あまり触れる人はいないようだが・・・) ---- 韓神社二座について、 二座は須佐之男命と五十猛命として得心。 韓神は加良神 大田市五十猛町に「韓神新羅神社」と云うのがあり、主祭神が素盞嗚尊。又この神社は「五十猛神社」と関連が深い。