[[神名解題a]] ''「天常立尊」'' (アメノトコタチノミコト) (書紀)では記載のない神である。 古事記では5番目に現れる神であり、「天常立神」と記してあるが、私は「尊」を用いる。 「天」の表記は、国生み神話の部分で示すが、海洋系の神である。 漂泊の民であった海洋民が、特定の入り江に定住をする際、土地神として祀った神がこの「天常立尊」であると考えている。 いわば海の民達の最初の御祖神である。 個人的に、色々神社巡りをしているが、この神を主祭神に祀る神社には出会えないでいる。 別記するが、国常立尊を祀る神社は相当数ある。 この事から、私は海の民が最初に土地神としてささやかに祀った神が「天常立尊」であり、ある程度の勢力を得た際には 「国常立尊」に転化させて行ったのであろうと考えているのである。