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- 1 (2013-06-25 (火) 03:34:49)
文献
『古事記』
『古事記』序
(真福寺本書影)
古事記 上巻 序幷 †
古事記 上巻 序幷たり
臣安萬侶言 夫 混元既凝 気象未效 無名無爲 誰知其形 †
臣安萬侶言す。それ、混元既に凝りて、気象未だあらわれず。名も無く爲も無ければ、誰か其の形を知らむ。
- 「爲」を岩波文庫では(わざ)と読んでいる。「無為」は(動きがない}の意味。
- 「效」は「敷」に見えるのだが・・・・「気象未敷」であれば(気象未だひろがらず)か?
「敦」と見るものもある。「效」としたのは宣長の「古訓古事記」に依るらしい。
→参考:早稲田大学図書館蔵「古訓古事記」/該当頁書智影
「效」の採用は観智院本名義抄に「効は效の俗字」とあり、アラハスの訓がある事によるらしい。
「玄奘表啓平安初期点」では「未遠」(イマダトオクアラズ)とあるらしいが未見。
(安万呂の上表文にこだわっていても仕方ないので、この件一時中座)
然 乾坤初分 參神作造化之首 陰陽斯開 二靈爲群品之祖 †
然あれども、乾坤初めて分かれて、参神造化の首となれり。陰陽ここに開けて、二霊郡品の祖となれり。
- 「乾坤」を岩波文庫では(けんこん)とそのまま読んでいる。
所以 出入幽顯 日月彰於洗目 浮沈海水 神祇呈於滌身 †
そえに、幽顕に出入て、日月目を洗うに彰れ、海水に浮き沈みて、神祇身をすすぐに呈われたり。
故 太素杳冥 因本教而識孕土産嶋之時 元始綿邈 頼先聖而察生神立人之世 †
故、太素は杳冥けれども、 本教によりて土を孕み島を生みし時を識り、元始綿邈けれども、先聖によりて神を生み人を立てし世を察れり。
- 「太素杳冥」岩波文庫では、(タイソはヨウメイなれども)
- 「本教」は日本古来の伝承の意。
- 「綿邈」:観智院本名義抄により、「綿」も「邈」も訓読みで(とほし)である事から「綿邈」で(とほし)と訓んでいる。
岩波文庫では(めんばく)としている。
寔知 懸鏡吐珠 而百王相續 喫劒切蛇 以萬神蕃息與 †
議安河而平天下 論小濱而淸國土 †
是以 番仁岐命 初降于高千嶺 神倭天皇 經歷于秋津嶋 †