文献
『古事記』
『古事記』序
臣安萬侶言す。それ、混元既に凝りて、気象未だあらわれず。
名も無く爲も無ければ、誰か其の形を知らむ。
臣安萬侶言。夫、混元既凝、気象未效。
無名無爲、誰知其形。 †
- 「爲」を岩波文庫では(わざ)と読んでいる。「無為」は(動きがない}の意味。
然あれども、乾坤初めて分かれて、参神造化の首となれり。
陰陽ここに開けて、二霊郡品の祖となれり。
然、乾坤初分、參神作造化之首。
陰陽斯開、二靈爲群品之祖。 †
- 「乾坤」を岩波文庫では(けんこん)とそのまま読んでいる。
その故に、幽顕に出入て、日月目を洗うに彰れ、海水に浮き沈みて、神祇身をすすぐに呈われたり。
所以、出入幽顯、日月彰於洗目、浮沈海水、神祇呈於滌身。 †