[[神名解題a]]

「神漏岐命・神漏美命」

伊邪那岐神・伊邪那美神のこと
神漏は神の世界から降臨(漏)したと言う意味合いだろう。
「岐命」「美命」部分が伊邪那岐・伊邪那美を示す。
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祝詞で称えられる神として知られるが、気になったので記しておく。
気になったというのは、例の幣立神宮の件。
この神社が主祭神として神漏岐命・神漏美命を祀っているそうだ。
通常、伊弉諾尊・伊弉冉尊として祀ることが普通だが、ここでは別神格とでも考えたのか神漏岐命・神漏美命として祀っているのである。

「幣立神宮」と今では称しているが元は「幣立神社」、更に遡れば「幣立社」
「神宮」と云う呼称は、戦前までは特別な神社に対する呼称だったが今では勝手に名乗れる。

健磐龍尊がこの地で幣を立て天神地祇を祀ったと云うのが社名由来。
幣立社として創建されたのが延喜年間。阿蘇宮司家友成により伊勢両宮を祀ったと云うのであるから、
本来は天照大御神と豊受大御神。
その後、阿蘇神社で用いられる幣を処分する場所として維持されていたようである。

阿蘇大宮司家の没落と共にその庇護を失い、地元の郷社として維持されていたのであろうからその困難は理解できる。
が、五色人とか竹内文書に因ったであろう縁起の創作は却って訝しい神社と堕してしまいかねない。
先代宮司の頃、あれこれ創作したようである。
元伊勢神社で創建15000年前(旧石器時代末)だとか・・・・・・笑止。
この地方への醍醐天皇の巡幸など史実にない。
創作縁起話を真に受ける方がどうかしている。
更には昨今流行りのパワースポットだとか。

以前はネット検索しても私の記した頁以外hitしなかったが、今では随分とhitする。

ちなみに、この神社の五色人面と云うのは、古い五行神楽面と一部ニューギニアの仮面と思われる。

熊本県観光課の案内も見たが、呆れ果てた。緑川はインド洋に注いでいる???
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ついでに、幣(へい・ぬさ)を立て天神地祇(地祇は土地の神)を祀るというのは、
新しい土地にやって来た際行ったり、陰気を飛ばすために行ったりする。
例えば建物新築の際などに地鎮祭として今でも普通に行われている。
特に幣立神社の場所が特別な場所というのではない。パワースポット?でも何でもない。

健磐龍尊が天神地祇を祀ったのは、日向の国から肥の国に入るに際し国境を超えたことで安全を祈願した程度のことであろう。
阿蘇友成が社を建てたのも国の境としたと云う程度の意味に過ぎない。

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