[[神社a]] ◎「和歌山権現」(多岐社) 島根県出雲市多伎町小田 [[地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#17/35.275755/132.629056/]] 主祭神:阿陀加夜努志多伎吉比賣命 「和歌山」は(わかさん)と読む。 社のある山名である。 多伎町の小田川中流、県道280号線を南下し最初のトンネル(和歌山トンネル)のある手前を左に下ると案内がある。 小田川を渡り対岸の中腹まで登ると岩窟があり、そこに和歌山権現の社がある。 更に左手を登れば「上の社」と呼ばれる祠がある。 参道は荒れ果ており、かなり危険。「上の社」へは、登山覚悟が必要。 昭和39年水害で被災し荒廃したらしい。 案内板では阿陀加夜努志多伎吉比賣命の御旅所とある。 岩窟には鑿跡があるから鉱物を求めて掘り拡げられたものであろう。 岩膚から雫が多数垂れ、白色の結晶(方解石?)が多数見られる。 岩窟の右手に小滝の跡があるが、今は殆ど枯れている。 この岩場の雫水を飲むと乳の出が良くなると信仰されてきたらしい。 多伎町の名産として白汁を出す無花果(イチジク)があるのは、この信仰と関係あるのであろう。 出雲国風土記神門郷 にある多岐社は、今では多伎町多岐639の「多岐神社」とされていることが多いが、 「阿陀加夜努志多伎吉比賣命」は川に関連の深い神格であり、「多岐神社」周辺には川が無く、風土記の「多岐社」はこちらの方がふさわしいように思われる。