▲「室山」
標高132(m)

島根県雲南市大東町中湯石 地理院地図

『出雲国風土記』大原郡に記載されている「御室山」

海潮温泉の東にある山である。
山頂は平かで、南端に祠跡が残る。

現在の参道口は三差路のあるここにあるが、直登でかなり急勾配。

山頂には元「室山神社」があったという。
今は対岸の「湯神社」に合社されているという。

『出雲国風土記』では「神須佐乃乎命の御室を造らしめ給う」とある。
須佐之男命が川中にあったという温泉(海潮温泉)に入る際の宿泊施設だったということなのであろう。
川中のどこから湯が湧いていたのか不明だが、山の北側の川辺は、此の辺りに川湯があれば風情があって楽しめそうな場所である。

今の参道は後に作られたもののようで、山頂南端に祠跡があることから、かつては北の川辺側に参道があったのであろうと思われる。
試しに山裾を歩いてみると、川側から途中までは山道があったが途中で崩れ、解らなくなり最後は直登した。
湯を楽しむと云うことであれば、山頂ではなく川傍に宿泊施設を作ったのでは無いかとも思われる。
東側には数件の民家があり、水田が営まれている。かつてはこの水田も川辺であったと思われるから、その辺りに湯が湧いていて、御室は今の民家辺りに作られていたのかも知れない。
『出雲国風土記』に記された「湯淵村」、現在の「中湯石」という地名からは川の中に「淵」即ち深い場所がありそこから湯が湧き目印となる石があったのであろうと想像できるが、今となってはそれがどこであったのか不明。

神社は後に創建し須佐之男命を祭ったものであろう。


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