神社a
◎「佐爲神社」
島根県松江市宍道町白石1464 地理院地図
主祭神:猿田彦命
境内社:「佐為高守神社」祭神:天鈿女命
宍道町白石の才地区にある。
・出雲風土記抄1帖k35解説で「佐為社者乃完道鄕白石村才谷大明神是也佐為高守社亦同處高宮大明神也」
・雲陽誌意宇郡-1-k49(Tk69p125)で 「佐為明神 猿田彦神を満つ類風土記尒載累狭井社な里本社九尺四方東向勧請暦數志連春祭日十月十三日當社東能方高守社あり天鈿女命を満つ類風土記狭井高守社とあ里神名帳尓意宇郡佐為社高守社と記寿是な里近来兩神を一社尓遷堂てまつり狭井二社明神と崇敬せ里」
『出雲国風土記』意宇郡に記された「狭井社」「狭井高社」
「延喜式」に記された「佐為神社」「佐為高守神社」
(佐爲神社 参道口)
・左手に平地があり佐為花木公園として花木が育てられている。地元の人の手によるのであろう。
(佐爲神社 案内碑)
(佐爲神社 随神門)
・途上かなり長い階段がある
(佐爲神社 社殿)
(佐爲神社 本殿南側)
・左手に「佐為高守神社」
(佐爲神社 佐為高守神社)
(佐爲神社 本殿北側)
・金比羅社と社日
(佐爲神社)
・荒神
- 「雲陽誌」の「當社東の方高守社あり」というのは山陰自動車道が作られた為地区の様子が変わり、よくは解らないがここの事かと思われる。
「出雲風土記抄」に「高宮大明神」とあるが、下白石に「高宮神社」というのがあり、そこかとも思ったが祭神が「天之御中主神」他であり違うようである。
- 佐為高守神社が男千木であり、猿田彦命・天鈿女命というとり合わせが記紀丸呑みでありこの地に何故という違和感を覚える。
狭井・佐為は塞で、塞ノ神は道俣神で猿田彦命、そして天鈿女命という事なのであろうが、これは忌部の影響を受けたもので出雲古来のものとは思えない。
・社名「狭井」の[井]は普通には井戸であるが、「市井」のように人の住む集落の意味がある。
「狭井」はこの意味で(狭い集落)を表し、才谷地区の様子を表した名称であろう。
・社名「佐爲」は[佐]は(助ける)の意味であるから、(助けを為す)の意味であろう。
現社名は延喜式の「佐為」によっている。
元は大己貴神の居る出雲郷への境を守る神として狭井高社に佐太御子神、狭井社に佐太大神を祀っていたのではないかと思われる。