○島根県松江市美保関町諸喰644「奢母智神社」

○「奢母智神社」

島根県松江市美保関町諸喰644 地理院地図

主祭神：天久比奢母智神・国久比奢母智神

境内社：
・山神神社：大山津見神
・素鵞神社：素戔嗚尊
・鷹場神社：高崎卓家高張・田原将監・古川吉泰
・若宮神社：倉稲魂命
・奥宮神社：不明

「古事記」神生みで、「速秋津日子神」「速秋津比賣神」が「天之久比奢母智神」「国之久比奢母智神」を生んだとある。
「天久比奢母智神・国久比奢母智神」はよくわからない神格であるが水に関わりのある神格である。
「奢」が「瓢（ひさご）」の意味で水を汲む柄杓の事だという説があるが要小考。
この地で祭るようになったのは、法田で疫病が流行り、住民が諸喰に移住した際、諸喰の「喰」が祭神の「久比」に通じているとされたことによる。

・「雲陽誌」嶋根郡4-k40 諸喰浦で「奢母智(さもち)名神天久比奢母智(あまのくひさもちの)神國久比奢母智(くにくひさもちの)神奈里本社四尺四方南向拝殿二間梁三間祭禮九月十九日天正六年造立の棟札あ里」
天正6年（1578）

鷹場神社は元は高場島（鷹場島）に祀られていた三名を移したもの。この三名は毛利家の家臣であり些細な争い事により斬り合いとなり共に討ち死に。
これら三名の怨念により法田に疫病が流行ったといい、高場島に祀られ法田の住人は諸喰に移住した。

奥宮神社は祭神不明となっているが、雲陽誌を見ると水神が該当するようである。神社南脇に渓流があるが、その水源の神を祭ったものであろう。闇龗神であろうか。

（奢母智神社諸喰湾）