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島根県松江市島根町多古1286 地理院地図
主祭神:瀬織津彦神・瀬織津姫神
「津上神社」は島根半島最北端多古地区の沖泊浦の集落の南の傾斜地中腹にある。
祭神の「瀬織津彦神・瀬織津姫神」は記紀には記されない神で瀬織津姫は中臣の大祓祝詞に出てくる。
瀧の水が落ち早瀬をなす所にいる神で、水の流れを宰り様々な穢れを水に流す禊祓いの水神である。
瀬織津彦神と瀬織津姫神が兄妹なのか夫婦なのかは定かではない。
おそらくは兄妹神で、祓い清める対象が違うのであろう。
津上神社の北方に大きな海蝕洞があり、また南方には「多古の七つ穴」と呼ばれる海蝕洞があり、日本海の荒波が常時押し寄せている。
瀬織津彦神・瀬織津姫神がこの地に祭られたのは、海を鎮めることを願っての事だったのであろうと思われる。
元禄年間、この地出身で津和野藩亀井家家老を務めていた多古外記左衛門之丞が藩の財政危機を救う金策のため帰郷した際
三隅の八幡宮に立ち寄りそこに祭られていた瀬織津彦神・瀬織津姫神の分霊を頂き沖泊浦に祭ったのが津上神社の始まりであるという。