○「因佐神社」
島根県出雲市大社町杵築北3008 地理院地図
主祭神:建御雷神
出雲大社摂社となっている。別称「速玉社」
延喜式に載る「因佐神社」とする説があるようだが疑問。
『雲陽誌』神門郡-3-には「伊那佐社」と「伊奈佐社」が記されている。
「伊那佐社」はk65の假宮に記され、(本社二間四方拝殿あり)と記されている。『延喜式神名帳註』-下-k170の記述に近しく、『出雲国風土記』神門郡k30の「伊奈佐社」(伊奈佐乃社)としている。
「伊奈佐社」はk67の稲佐浦に記され、(稲佐浦 伊奈佐社あり故に所の號とす~)と記されている。
現在の「因佐神社」というのは「伊奈社社」の事と思われ、これは式内社ではない。
地元で「速玉社」と呼んでいることから、元の祭神は「速玉男命」であったものであり、社名を『延喜式神名帳』の「因佐神社」と変え、祭神を『古事記』により「建御雷神」に変えたものと思われる。ちなみに『延喜式神名帳註』では祭神名に「建御雷神」は記されていない。
ついでに記すと南方150mに「屏風岩」というのがあり国譲り神話の舞台とされているが、後世の創作であろう。地理院地図