彌都波能賣神
書紀本文には記載のない神である。
一書においては罔象女と記される。

「水際之女」と云う意味であろう。
川辺の低湿地帯に祭られる事が多い。

この神にはなぜか暗いイメージがつきまとう。
租界のイメージである。
たとえば、河原者と云えば、賤民扱いされるが、その様な場所に祭られているのである。
堕胎や、死霊、など、この神に絡むイメージは暗いものがある。
書紀では、命や姫の敬称すらつけていない。

ひょっとすると、洪水による死者を弔った神ではないかとも思われるのである。
しかし、この神は同時に、仏教で云う慈母神であるとも考えることができる。
それ故、並立男神が居ないのかも知れない。
2000年1月、播磨行きの際、罔象男命を祭った神社を見つけた事を付記しておく。
合祀社で「川上神社」という。