最近はネット上に各地の神社紹介サイトが多数あり、
あえて私等が紹介・解説する必要も無いと考えている。
で、ここに記すのは、縁起案内のようなものではなく、
原初的にはどういうポジションであったのか、そういうことを考えながら、
思うことを記していこうと考えている次第。
神社には、盛衰というものがあり、中世・近世に手厚く保護されているから格式が高い、
或いは保護されていないから、格式が低い等と云うことはないのであって、
神社の位階というものは、かなり政治的なものなのである。
現在の神社縁起には、先代旧事本紀から引いてきたものが多いように感じている。
どこまで信頼しうるのか否かの検討を加えてからでなければ、
今ある有り様から判断するのは、かなり危険なことだと考えている。
それは、例えば、明治神宮や靖国神社が如何に位階が高かろうとも、
誰も古社とは考えないであろうという事と通じていることなのである。


系譜というのは、思うに、一個人にとってはその血族の直近系譜であれば、
相応の意味があるものかも知れないが、
他者にとってはなんの意味もありはしない。
5代遡れば、2の5乗、すなわち64人の直系尊属がいる。
10代遡れば、2の10乗、2048人
20代遡れば、2の20乗、2097152人(210万人)
30代遡れば、2の30乗、2147483648人(21億5千万人)
かく、単純なねずみ算である。
傍系含めれば、それはもう、把握すること等不可能である。
○×氏の一族などといっても、信頼に足るものではない。
世界中が親類縁者だらけなのである。
その上で、神統譜を読み解こうとするのは、それが歴史的に
どの様な政治的意図で利用されてきたかを明らかにする事が第一である。
そこから、政治性を孕まない原初的な想念が浮かび上がる事があるとすれば
その時始めて歴史の彼方に消え去った無名の祖霊たちと語ることが出きるようになるかも知れない。


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Last-modified: 2008-06-22 (日) 00:00:00 (5788d)