神名解題a

「神漏岐命・神漏美命」

伊耶那岐神(伊邪那岐神)・伊耶那美神(伊邪那美神)のこと
神漏は神の世界から降臨(漏)したと言う意味合いだろう。
「岐命」「美命」部分が伊耶那岐・伊耶那美を示す。
大本教などが奇妙な事を言い始めて、こんな当たり前のことも混乱し始めた様だ。


祝詞で称えられる神として知られるが、気になったので記しておく。
気になったというのは、例の幣立神宮(幣立神社)の件。
この神社が主祭神として神漏岐命・神漏美命を祀っているそうだ。
通常、伊弉諾尊・伊弉冊尊として祀ることが普通だが、ここでは別神格とでも考えたのか神漏岐命・神漏美命として祀っているのである。

「幣立神宮」と今では称しているが元は「幣立神社」、更に遡れば「幣立社」
「神宮」と云う呼称は、戦前までは特別な神社に対する呼称だったが今では勝手に名乗れる。

健磐龍尊がこの地で幣を立て天神地祇を祀ったと云うのが社名由来。
幣立社として創建されたのが延喜年間(901年~923年)。阿蘇宮司家友成により伊勢両宮を祀ったと云うのであるから、
本来は天照大御神と豊受大御神。
その後、阿蘇神社で用いられる幣を処分する場所として維持されていたようである。

阿蘇大宮司家の没落と共にその庇護を失い、地元の郷社として維持されていたのであろうからその困難は理解できる。
が、五色人とか竹内文書に因ったであろう縁起の創作は却って訝しい神社と堕してしまいかねない。
先代宮司の頃、あれこれ創作したようである。
元伊勢神社で創建15000年前(旧石器時代末)だとか・・・・・・笑止。
この地方への醍醐天皇の巡幸など史実にない。
創作縁起話を真に受ける方がどうかしている。
更には昨今流行りのパワースポットだとか。

以前はネット検索しても私の記した頁以外hitしなかったが、今では随分とhitする。

ちなみに、この神社の五色人面と云うのは、古い五行神楽面と一部ニューギニアの仮面と思われる。

熊本県観光課の頁も見たが、呆れ果てた。緑川はインド洋に注いでいる???樹齢15000年の桧???高天原発祥の地???日の宮???神がかり???妄想・虚言・自己厨。


ついでに、幣(へい・ぬさ)を立て天神地祇(地祇は土地の神)を祀るというのは、
新しい土地にやって来た際行ったり、陰気を飛ばすために行ったりする。
例えば建物新築の際などに地鎮祭として今でも普通に行われている。
特に幣立神社の場所が特別な場所というのではない。パワースポット?でも何でもない。

健磐龍尊が天神地祇を祀ったのは、日向の国から肥の国に入るに際し国境を超えたことで安全を祈願した程度のことであろう。
阿蘇友成が社を建てたのも国の境としたと云う程度の意味に過ぎない。


net見てたら、幣立神社に、龍神の住む池との記述のあるblog。
???はて???
立ち寄ったのはもう20年近くも前だが、ひょっとしてチョロチョロ流れる水を溜めるように造作中だった水たまりのことか??
他にも色々工事していたが・・・・・。
今では随分と立派に仕上がっているのだろう。

ついでに。幣立神社が中央構造線上にあるという記述が散見されるのだが、中央構造線上にはない。
第2候補の臼杵-八代構造線でもかなり北方を走っている。次のリンクを拡大してみれば解る。
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=zrVDaszp7X6Q.kCAgt2rMc_fQ&msa=0

更についでに、九州の臍(へそ)と呼ばれる場所は、幣立神社のある場所ではなくもっと北方。
国道265号線走っていれば案内がある。


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Last-modified: 2016-02-03 (水) 15:23:37 (3002d)