神名解題a
「天石門別命」
- (島根県史-5-国司政治時代 p161~p162)
- 明治期浜田在住の国学者 藤井宗雄による説
別名:「豊石牖命櫛石窓命」(トヨイシマドノミコト クシイシマドノミコト)
男神「大祭天石門彦命」と女神「石見天豊足柄姫命」の夫婦神を総称した呼び名。略称「豊櫛二命」
- 忌部氏の祖「天太玉命」の子とされるのが「天石門別命」。
阿波を歩いた際、この「天石門別命」が祭られている神社が幾つかあって少々気になっていた。
「天石門別命」は瓊瓊杵尊の随神であり、天の岩戸神話とは何の関係もない。読み方が似ているので混乱があるのであろう。
普通(アメノイワトワケ)と読まれているが、(アメノイシカドワケ)と読むべきではないかと考える。
浜田に忌部氏がやって来た際、地主女神「石見天豊足柄姫命」を妻神として取り込んだのであろうと思われる。
藤井宗雄は広島県山県郡北広島町の「天磐門別神社」と関連があるのではないかと記しているが、関連はない。
「豊」の付く女神は良く「豊玉姫」とされることがあるが、「石見天豊足柄姫命」が「豊玉姫」の別名とする説は疑わしい。
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