神社a

○「狭長神社」(サナガジンジャ)
島根県雲南市掛合町掛合2136 地理院地図

主祭神:天忍穂耳命
(日本書紀:正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊)
(古事記:正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命)

「出雲国風土記」飯石郡では「狭長社」
掛合町佐中にある。出雲風土記抄では「佐長里」
境内に由緒や案内はなく、島根県神社庁の表示では「天忍穂耳命」
国道54号線が作られたためであろうか、社殿の配置が奇妙なことになっている。
社殿は比較的新しく、どことなく余所余所しい。
社殿後方の石垣ばかりが古さを感じさせる。

雲陽誌(117コマp221)掛合 勝手明神で
「勝手明神 【風土記】に載る狭長社是なり、大和國吉野山勝手社は愛鬘命なり、當社もおなし神なるへし、縁起なし故に分明ならす、老祠官語て曰古此神烏帽子岩の上に鎭座したまふ、其後狭長に遷宮して本社門客人鳥居天正年中多賀與四郎道定造立の棟札あり、~」とある。
「勝手明神」は出雲風土記抄では「加都乎大明神」と記している。
吉野の勝手社、今の「勝手神社」の祭神「愛鬘命(ウケリノミコト)」は良く解らない神格だが、鬘(カヅラ・髪飾り)を愛するというのだから女神かと思われる。
「勝手」というのは今の用法「身勝手」という意味ではなく、「手に勝れる」すなわち「手業に優れる」の意味であろう。
つまり「鬘作りに優れる神」ということを意味しているのであろう。

吉野の「勝手神社」は今では「天忍穂耳命」を祭神としていることから、「狭長神社」の祭神も「天忍穂耳命」としているのであろう。
「愛鬘命」を「天忍穂耳命」にしたのは、「素盞嗚尊」と「天照大神」との誓約の際、「素盞嗚尊」の御鬘から「天忍穂耳命」が生まれたという所以によるものであろう。

社地の近くを小川が流れるが、この上流山中は産鉄地だったらしい。


(狭長神社 境内口)
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(狭長神社 拝殿)
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(狭長神社 本殿と境内社)
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Last-modified: 2019-01-19 (土) 02:36:57 (1923d)