『古事記』
『古事記』上巻p006~

『古事記』上巻p007~


(真福寺本p007)

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賜天沼矛而言依賜也故二柱神立訓並云
多ゝ志
天浮橋而指下其沼矛以
盡者鹽許々袁々呂々迩此七字
以音
盡鳴訓鳴云
那志々
而引上時自其矛末
垂落之鹽累積成嶋是淤能碁呂嶋自淤以下
四字以音
於其嶋天降坐
八尋殿事
 
而見立天之御柱見立八尋殿於是問其妹伊耶那美命曰汝身
者如何成答曰吾身者成ゝ不成合處一處在故以此吾身成餘尒伊耶那岐命詔我身者成ゝ而餘處一處在
 

處刺塞汝身不成合處而以爲生成国土生奈何訓生云宇
牟下效此
伊耶那
美命答曰然善尒伊耶那岐命詔然者吾与汝行廻逢是天之御
柱而爲美斗能麻具波比此七字
以音
如此之期乃詔汝者自右廻逢我
-----
者自左廻逢約竟以廻時伊耶那美命先言阿那迩夜志愛
 

登古袁此十字以
音下效此
各言竟之後告其妹曰女人先言不良雖然久美
度迩此四字
以音
興而生子水蛭子此子
 
者入葦船而流去次生淡嶋是亦
不入子之例於是二柱神議云今吾所生之子不良猶宜白天神之
御所卽共參上請天神之命尒天神之命以布斗麻迩尒上此五
字以音

卜事
 
卜相而詔之因女先言而不良亦還降改言故尒降更往廻其
天之御柱如先於是伊耶那岐命先言阿那夜志愛袁登賣
袁後妹伊耶那美命言阿那迩夜志愛袁登古袁如此言竟
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賜天沼矛而言依賜也

天沼矛(アメノヌボコ)を賜いて、言依(コトヨ)さし賜う也。

故 二柱神立 訓並云多々志 天浮橋而 指下其沼矛以畫者

(かれ)、 二柱ノ神 天浮橋に立たして(訓みを並びて多々志と云う) 其の沼矛(ぬぼこ)を指し下ろして()かせば

鹽許々袁々呂々迩 此七字以音 畫鳴 訓鳴云那志

(シオ)許袁呂(コオロ)許袁呂に(この七字は音を以いる)()(ナシ)て、(鳴を訓みて那志と云う)

  • 許々袁々呂々…重字の「々」。上古の用法で現代と異なり「許袁呂許袁呂」を表す。

引上時 自其矛末垂落之鹽累積 成嶋 是淤能碁呂嶋 自淤以下四字以音

引き上げます時、矛の末より垂落(シタタ)(シオ)累積(ツモ)り、 嶋と成りき。是れ淤能碁呂嶋(オノコロシマ)なり。(淤より以下(シモ)の四字は音を(モチ)いる)

於其嶋天降坐而 見立天之御柱 見立八尋殿

其の嶋に天降(アマモリ)(マシ)て 天之御柱を見立て、八尋殿を見立てましき。

於是問其妹伊耶那美命曰汝身者如何成

於是(ココニ)、其の(イモ)伊耶那美命に問いて()らさく。汝身(ナガミ)如何(イカニ)成れる。

  • i文庫では「伊邪那美命」と「邪」に変えて用いている。
  • 岩波日本思想大系では「伊耶那美命」と記し、「耶」を「ザ」と読んでいる。
    • i文庫は岩波日本古典文学大系を元にしていると記しつつ、改変の理由説明は無い。

答曰吾身者成ゝ不成合處一處在

答へて曰く、吾身(アガミ)成ゝ(ナリナリ)成合(ナリアワ)ざる處 一處(ヒトトコロ)在り。

(尒伊耶那岐命詔我身者成ゝ而餘處一處在)

(シカシ)て、伊耶那岐命()らさく、我身(ワガミ)は成ゝて餘れる處一處(ヒトトコロ)在り

  • この一文は書影では挿入文
    • 岩波日本思想体系は底本を真福寺本としながらも、その旨の注記はない。
  • i文庫では「伊邪那岐命」と「邪」に変えて用いている。
  • 岩波日本思想大系では「伊耶那岐命」と記し、「耶」を「ザ」と読んでいる。
  • 岩波日本思想大系では「我身」を「アガミ」と読んでいる。

故以此吾身成餘處刺塞汝身不成合處而以爲生成国土生奈何 訓生云宇牟下效此

(カレ)此吾身(コノアガミ)の成餘れる處を()ちて、汝身(ナガミ)の成合ざる處を刺し(フサ)ぎて、国土(クニ)生み成さむと為す、生むこと奈何(イカニ) (生を()みて宇牟(ウム)、下此に(ナラ)え)

  • 「以爲」をi文庫・岩波日本思想大系では共に「おもふ」と読んでいる。
    • 「おもふ」はないだろ。「以」は接続辞と考え略す。あえて記せば「(モチ)て~為す」。

伊耶那美命答曰然善

伊耶那美命答へて(イワ)く。然善(シカヨ)けむ。

尒伊耶那岐命詔然者 吾与汝行廻逢是天之御柱而 爲美斗能麻具波比此七字
以音

如此之期乃詔汝者自右廻逢我

者自左廻逢約竟以廻時伊耶那美命先言阿那迩夜志愛
 

登古袁此十字以
音下效此
各言竟之後告其妹曰女人先言不良雖然久美

度迩此四字
以音
興而生子水蛭子此子
 
者入葦船而流去次生淡嶋是亦

不入子之例於是二柱神議云今吾所生之子不良猶宜白天神之

御所卽共參上請天神之命尒天神之命以布斗麻迩尒上此五
字以音

卜事
 
卜相而詔之因女先言而不良亦還降改言故尒降更往廻其

天之御柱如先於是伊耶那岐命先言阿那夜志愛袁登賣

袁後妹伊耶那美命言阿那迩夜志愛袁登古袁如此言竟


(真福寺本p008)

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生国給事
而御合生子淡道之穗之使別嶋訓別云和氣下效此次生伊豫之二名嶋此
嶋者身一面有四四毎而有名故伊豫國謂愛上比賣此三字以音下效此也讚岐
国謂飯依比古粟國謂大宜都比賣此四字以音土左國謂建依別次
生隱伎之三子嶋亦名天之忍許呂別許呂二字以音次生筑紫嶋此嶋

亦身一而有面四毎面有名故筑紫國謂白日別豐國謂豐日
別肥國謂建日向日豐久士比泥別自久主泥以音熊曽國謂建日別曽字以音
次生伊岐嶋亦名謂天比登都柱自比至都以音爪天如天次生津嶋亦名謂天之
狹手依比賣次生佐度嶋次生大倭豐秋津亦名謂天御虛空
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豐秋津根別 故回此八嶋先所生謂太八嶋國然後還坐之時生
吉備兒嶋亦名謂建日方別次生小豆嶋亦名謂大野牛上比賣
次生大嶋亦名謂大多麻上流別自多至流以音次生女嶋亦名謂天一根訓天如天
次生知訶嶋亦謂天之忍男次生兩兒嶋亦名謂天兩屋自吉備兒嶋至天兩
生神事屋嶋幷六嶋既生國竟更生神故生神名大事忍男神次生石土毘吉
神爪石云伊波亦毘古二字以音下效此〃次生石巣比賣神次生大戸日別神次生天之

須上男神次生大屋毘古神次生風木津別之忍男神訓風云加耶訓木以音次生
海神名大綿津見神次生水戸神名速秋津日子神次妹速秋
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(真福寺本p009)

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津比賣神自津比賣神并十神大事忍男神至秋此速秋津日
子速秋津比賣二神因河海持別而生神名沫那藝神那藝
二字

水分神
以音下
效此
次沫那美神那美二字以
音下效此
次頬那藝神次頬那美神次天之
水分神訓分云久麻
理下效此
次國之水分神次天之久比大者母智神自久以下五
字以音下

風神

次國之久比奢母智神自沫那藝神至國之久
比奢母智神并八神
次生風神名志那都
山神      次生木神名久ゝ能智神此神名
以音

法古神此神名
以音
次生山神名大山
 
津見神次生野神麻屋
野比賣神亦名謂野椎神自志那都比古神
至野椎并四神
此大山津見神野
椎神二神因山野持別而生神名天之使土神訓土云豆
知下效此
次國之
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使土神次天之使霧神次國之狹霧神次天之闇戸神次
大戸惑子神訓惑云麻刀
比下效此
次大戸惑女神自天之使土神至大
戸惑女神并八神也
次生神名
大宜都比賣
鳥之石楠船神亦名謂天鳥船次生大宜都比賣神此神名
以音

生火之夜藝速男神夜藝二
字以音也
亦名謂火之炫毘古神亦名謂
火之迦具土神迦具二
字以音
因生此子美蕃登此三字以音見炙而病臥在多
具理迩此四字
以音
生神名金山毘古神訓金云迦
那下效此
次金山毘賣神次於屎
成神名波迩夜須毘古神此神名
以音
次波迩夜須毘賣神此神名
亦以音

於尿成神名迩都波能賣神次和久産巢日神此神之子謂
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  • [田比]は[毘]に、[旀]は[迩]に改めている。

(真福寺本p010)

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Last-modified: 2018-10-28 (日) 11:32:30 (17d)