神名解題a

八坂刀売命
(八坂刀売神・八坂刀賣神)

「武御名方神」の后神
父は、天八坂彦命、妹に八坂入姫

諏訪上社前宮に陵があるとされる。(本殿左方の石垣)

諏訪下社春宮と秋宮に奉られ、2月1日から春宮、8月1日から秋宮に遷宮する。


八坂刀売命はいわゆる押しかけ女房・姉様女房であったようである。
ある時、武御名方神と諍いがあって別居。
それが諏訪下社の始まりであるらしい。
往事諏訪湖は現在より水量豊かで湖面域も広かったと云われる。
上社の近くまで湖面が拡がって居たものと考えられる。
御神渡りと云うのは、厳寒期夜明けに湖面の氷が朝日を受けて膨張し氷の道となる現象だが、これを武御名方神が湖を渡る足跡だと云う。
その様に時として武御名方神は別居した八坂刀売命の元に通い婚を続けたのであろう。
八坂刀売命を、八坂刀売神として祀ったのは武御名方神であると云われるから、八坂刀売命は武御名方神より先に亡くなって上社前宮に葬られたのであろうと思われる。


ところで崇神の子に八坂入彦がおり、その娘に八坂入媛がいる。
八坂入媛は景行の后。
この八坂入媛が、八坂刀売命の妹であるとすれば、武御名方神は景行の義兄と云うことになる。
木に枝を継いだ記紀系譜であると考えれば、その綻びの一端であるかも知れない。

先代旧事本紀では天八坂彦命は、饒速日命の天降りに従った随伴神とされるが、あまりに仰々しく信じがたい。


トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-07-20 (水) 08:14:48 (2827d)