鳥之石楠船神
古事記では「鳥之石楠船神」
日本書紀では「天磐〔木豫〕樟船」

クスノキは、古来船の材料として用いられてきた。
樟脳成分を含むので、虫の害に強く、また腐りにくい。
材質が軽く、加工しやすい。大木が得られる等の理由からである。

此の神はそれ故、船に宿る神と考えられたのであろう。
「鳥」が付くのは、船首に鳥の頭部彫刻を施していたことを表しているのであろう。
ちょうど、船全体を水鳥とみなして、船が水面に浮かぶ姿を、映しているのである。

「石」「磐」は、堅いとか丈夫であるとか云ったことを表徴しているのであろう。

饒速日尊が天磐船で天下ったという話しがあるが、
この天磐船も、同じであろう。

クスノキにまつわる伝承や産地としては、
山口県厚狭郡楠町舟木、
福岡県北九州市帆柱山、
福岡県築上郡築城町伝法寺本庄、
等がある。