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《万葉集古歌》 万葉集に収録された歌の内、一番古いものは磐姫のもので4世紀初頭頃とされている。 一番新しいものは大伴家持のもので8世紀中頃といわれる。 後期の表記は一音一字で対応させている、漢字を表音文字として扱うものが多いと言われるが、 初期のものは表記法が異なり、字源をふまえたものであると考えられている。 考えられているというのは、後期のもののように、一音一字では読めないからである。 読めないものを無理に読むとどうなるか、万葉集巻1の9額田王の歌の読み下し文が30種以上もあることが好例である。 (残念ながら、インターネット上で表記できない漢字がある為、紹介できない) ここで、注意しておきたいのは、万葉集の表記が一定ではないという事である。 後期の表記は記紀の表記に近いものであるが、前期のものは記紀の表記とは違うという点である。 そして、万葉集は900年前後にはもう読めなくなっており、源順らにより、訓点をつける作業が行われ始めたのである。 (これを古訓という) 万葉集は400年間という長期間に渡る歌を集めているので、漢字文化移入の重要な資料であるとも言えるのである。 |